シングル寸評・その2
特集〜Dir en grey
驚異の小者新人のデビュー。
凡庸なアンサンブル(*)、平均以下のメロディ、不快なヴォーカルの陶酔感、滑稽な海外大物の猿真似、明らかなオーバー・プロデュース。どの面を切り取っても小者ぶりを強烈に示している。そして流行りの複数枚同時発売だから手に負えない。
(*)凡庸なアンサンブル
この頃はバンドを聞くときLed Zeppelin, 各時代のKing Crimson, Drem Theaterを基準にしてしまうので、日本の大抵のバンドは厳しい結果に陥ってしまう。中でもDir en greyは相当低い方。歌は今流行りの路線に忠実で、嫌みな自己陶酔感に不快感を感じる。ドラムは馬鹿にだらだらとリズムを刻み続けバスドラよろよろである。拍を忠実に打たなくても(むしろ逆にそれが味)魔法のように格好よいボンゾ、インプロも最高だし淡々と刻んでいても何故か躍動感に溢れるビルなんかと比べてしまう自分が悪いんだけど。ベースの存在感は皆無でいるのかいないのか分からない。ラルクのベース(もうすこし音がブリブリしていたらほとんどChris Squireである)ほど自己主張しろとは言わないが。ギターはどうでもいい。
アクロの丘
時間稼ぎのためか無駄に冗長で、何故かチェロ。ダレカタスケテ。プロデューサの手腕が遺憾なく発揮されている、ただしベクトルは逆向き。(余談。「上向きベクトル〜♪」と歌っている女二人組を何とかしてくれ。きっついわー。二度と聞くこともないけど。)
ぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱん。おーい、ドラマー、生きてるかー?(Sopherの「黒いブーツ」も然り)
残-ZAN-
大爆笑。これは笑える。コミックバンドとしての才能を大爆発させている。うぎゃーお、って絶叫を聞いたとき本当に吹き出してしまった。いやあオジサン一本取られちゃったなあ。まいったまいった。
完全な「嘘マリリ○ン・マンソン」。音色までもが。Marilyn Mansonの「Antichrist Superstar」を是非聞きましょう。「残-ZAN-」の面白さが倍増すること請け合い!!
実は本人達はやる気が無くて、プロデューサに「やれ」ってぼこぼこに殴られたのかも。それくらい似合っていなくて滑稽で軽薄で様になっていない。悪・即・「斬-ZAN-」の斉藤一にばっさり斬ってもらいましょう。芹沢鴨あたりのほうがマニアック(小者)で彼らに似合っているカモ。
こんな曲をシングルにするのも凄いことだ、流石はインディーズを散々賑わせた奴等だけある。
ゆらめき
保険。売れ線。
ワンダフルのアニメコーナーの主題歌なのでどうしてもPenicilinの「ロマンス」と比較してしまうが、やっぱりこっちは駄目だわ。今目の前のスピーカからはCozy Powelのドラムソロが流れている。ロックたるものこうでなくちゃ。よろよろなこんな曲はもううんざり。
いかがでしょう?>志村氏(1999/01/28)
いつものシングル寸評
Mad Sky -鋼鉄の救世主 / Pierrot
のっけから「こいつも嘘マリ○ンか?」(プロモの見た目なんか特に)。でも上の連中よりは日本人的に消化できていると思う。Bメロはやりすぎだけど。アンサンブルも特筆する点はない。誉めるほどではないし貶すのもかったるい。日本人の平均点。世論調査をすればこんな音が出てくるって感じ。
(1999/01/28)
そのスピードで / The brilliant green
やれやれ、ブリリアントのスペルが分からなくて四苦八苦したぜ。辞書で'bri'で検索したらようやくヒット。
さて、この人達、早くも熟してしまった感じ。若さが感じられない。若気の至りが悪の方向を向いてしまうよりは(Dir en greyとかね)ずっといいが、これから次第にフェードアウトして人々に忘れ去られていくまでずっとこんな音なんだろうな。
音が厚いなあ。盛り上がっているときには、ヴォーカル、サイドギター×2(アコギ・エレキ)、リードギター×2、ベース、ドラム、パーカッション、ストリングスときたもんだ。ライブで再現しようとしたら一大ギターアンサンブルの出来上がりだ。トリオの音を追求するブランキージェットシティ(英単語調べるのを諦めた)と好対照を成していて楽しい。
(1999/03/21)
カプチーノ / ともさかりえ
ともさかりえを美人だとは思わないし、台湾での盛況ぶりは世界100不思議。歌い回しも仮歌を聞いたためか提供者にそれとなく似ていてどうしたものかと思う。
それはそれとして「カプチーノ」のブリッジは見事である。ミスター・チルドレンの「終わりなき旅」のブリッジもまあまあかな、と思っていたけど、こっちが圧倒的な説得力。
1999/02月初頭、趣味の
DTMの方で「
題名未定 including X'mas '98」を作成していたとき、このブリッジを頭の片隅に置いていたが、全く上手くいかなかった。
(1999/03/22)
Let Yourself Go, Let Myself Go / Gragon Ash
あれれれれ、これ誰?ドラゴン・アッシュって丸顔アフロでしょ。何でこんな洒落た格好しているの?「ギョワギョワギョクチェゲラウト」。この変容ぶりは激しいな。
(1999/03/22)
この愛のために / CHAGE and ASKA
どうして今になってこの曲?理解しがたい。「なあ、二人でやろうよ、飛鳥ぁ」「お前は黙ってろ」そんな状態が長く続き、「river」以来本当に久しぶりの新曲なのに。「ID」の衝撃を考えると拍子抜け。実はかなり期待していたのに。でも初登場時の売れ行きが団子を追随する勢いだったのには驚いた。さすがに知名度の威力は大きい。今はそれ以上の勢いで下がっているけど。まあ彼らの場合、売り上げなんて大した問題ではないはずだから。そう考えるとますます分からない。
B面はチャゲ曲vision。往年の「嫌らチャゲ」(「プリムローズ・ヒル」が最高点)が見えかくれする。「LとM(MとL?)の野球帽」という名曲を生んだあの時期が一番良いのに(「okidoki」も好き)。
チャゲアスについては和田ラジヲが詳しいので漫画を読もう。
(1999/04/04)
邦楽編