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Dream Theater
ダイジェスト

 今、俺のロック世界で最高のバンドとして双璧を成しているのがKing CrimsonとこのDream Theater。Led Zeppelin, Rainbowがそれに続く形。ここではDream Theaterの画策品を簡単に紹介していく。

WHEN DREAM AND DAY UTIL

1989年作品・MVCM-21059
 驚異の軍団のデビュー作。
 Dream Theater他の全ての作品と比べて明らかに異質の音がする。良くも悪くも80年代的で余り好きではない。
 A FORTUNE IN LIES, THE YTSE JAM, THE KILLING HANDなど名曲も多いが、やはり次回作IMAGES AND WORDS以降とは質が違うように思える。
 もちろん素晴らしい出来なのだが、この程度の音なら他のバンドでも創れると思う。

IMAGES AND WORDS

1992年作品
 長い修行期間(ヴォーカルを頚にしてインストで演ってたり)を経て生み出された傑作中の傑作。
 初めて聴いたDream Theaterの音楽。「プログレ普及委員会」の「凄い、凄すぎる。私が宇宙人に出合ったら最初に聴かせるアルバム」という紹介文に刺激されて買った。当時は余り理解できなかったが、彼らの他の作品、他のバンドの音楽を沢山聴いてIMAGES AND WORDSに戻ってきたときにその「凄さ」に圧倒された。もう言葉で表現することは不可能なのでとりあえず聴くベシ。
 PULL ME UNDER, TAKE THE TIME, METROPOLISが特に聞き所。これらを越える作品をもう彼らは生み出せないのではないかと思う。彼らもそれを理解していて、バンド全体がそれを尊重しつつ別ベクトルに向かっている感がある。
 前作のヴォーカルCharlie Dominiciが辞めさせれて新たにJames LaBrieが加入している。
 今となっては「俺ワールド三大ドラマー」の一人Mike Portnoyだが、これを買った当時は機械みたいでスネアの音がどうも気に入らない妙なドラマー、って思っていた。

LIVE AT THE MARWUEE

1993年作品・AMCY-574
 ライブ版。
 彼らの恐ろしい技術を見せつけられる一枚。感服。収録曲が少ないのが欠点。企画ものだから仕方ないか。
 元々1stの曲をJames LaBrieの声で聴かせるのが目的だったらしい。ラブリエ、見事!!ドミニッチさんが苦しそうに一所懸命歌っていたA FOTUNE IN LIES, THE KILLING HANDを意図も簡単に(見える)、しかも遥かに凌駕している。
 インプロ(imorovisation=即興)が一曲披露されているが、やはり完全なインプロだと昔クリムゾン('73, '74年頃)のような音になるらしい。

AWAKE

1994年作品
 前作IMAGES AND WORDSとはかなり異なり、暗さ重さ(駄目日本人でいう「ダークでヘヴィ」)に重点置いた硬質なアルバム。
 軽やかで明るい曲が一曲もない。個々に収録する低い旋律を弾くためにわざわざ特殊なギターを用意したとか。
 暗く重く難解で長い(75分以上)ため、ELTやらキャライア・マャリー(仮)やら久石譲やらエリック・サティを嗜好する人は頭が痛くなるかも。
 このアルバム発表後に鍵盤奏者Kevin Moorが脱退した。非常に残念なことである。

A CHANGE OF SEASONS

1995年作品・AMCY-3114
 企画版。超大作A Change Of Seasonsにライブ(カバー・ソングス)録音を加えてある。
 ケヴィンの後がまにDerek Sherinianが参加している。  タイトル曲はケヴィン在籍時の曲。23分に及ぶ大曲でドリーム・シアターの全てが堪能できる名曲。この曲を聴くと彼らの神髄はやはりインストパートにあるんだなぁと実感する。歌は歌でラブリエのすさまじい歌唱力を堪能できるのだが。
 カヴァー・ソングスに選ばれたのはElton John(ギタリストの趣味だろう), Deep Purple, Led Zeppelin, Pink Floyd, Kansas, Queen, Journy, Dixie Dregs, Genesisの面々。王道からプログレまで幅広い彼らの音楽の原点を垣間みることが出来る。それにしてもいいなあ、何でもこなせて。

Falling Into Infinity

1997年作品・AMCY-2315
 満を持して発表した3rdアルバム。またもや前作と趣が大きく変わった。全体的に大人しくなったかな。
 傑作と駄作、両方の意見が飛び交う問題作。IMAGES AND WORDSの崇拝者にとっては期待はずれなのかも知れぬが、客観的に聴けば文句なく素晴らしい出来である。
 全編通じてメンバーの一体感、音の生々しさ、緊張感(いわゆるテンション)は今までで最高である。特に俺のようなポートノイ(ドラマー)好きにとってはたまらない逸品。
 ケビンの抜けた影響は大きいようだ。彼が如何にドリーム・シアターの曲に大きく関わっていたかが実感できる。こをどう思うかでアルバムの評価が別れるのだろう。俺はこれはこれで大好きである。
 これも長いアルバムだけど、辛くはない。初めてドリーム・シアターに接するのにはこれが一番向いているかもしれない。

HOLLOW YEARS

1998年作品・AMCY-2525
 シングル。Falling Into Infinity収録のHollow Yearsを2種類、You Not Meのデモヴァージョン、アルバム未発表曲1曲、ライブ音源2曲を収録。
 アルバム未収録曲を聴いても分かるが最近かれらの激しさという側面がやや減ってきている。すこし残念。
 ライブは3rd収録のBurning My Soulから1stのAnother Hand / The Killing Handへ繋がる構成。Another Hand / The Killing Handは、1st〜LIVE AT THE MARWUEE〜HOLLOW YEARSという期間で、曲が洗練・肥大化した様子が聞き取れて興味深い。

ONCE IN A LIVE TIME

1998年作品・AMCY-2888,9
 2枚組ライブ大作。
 LIVE AT THE MARWUEEの時ほどの衝撃はなかったが、2時間半彼らのライブ世界を堪能できるのは神に感謝。
 全体的に娯楽性の強い内容。曲の配置も絶妙。自分の曲に他のバンドの楽曲の一部を組み込む場面が何カ所かあり、特にPeruvian Skiesに取り入れられたPink FloydのHave A Cigerは絶妙。
 一番興奮したのはギターソロの途中、Liquid Tension ExperimentのParadigm Shiftが現れたこと。ギター・ドラムの二重奏でここまで分厚い音が出るものかと感嘆。
 メドレー形式のため省略されてしまう曲が多いのがやや不満。Metropolisはやはり完全版を聴きたい。
 何はともあれ、超人的なライブアルバムであることは変わりはない。クリムゾンもドリーム・シアターもライブ演奏の素晴らしさが群を抜いている。

Dream Theater表紙