ANIMAGE BEST SYMPONY

譲が一番輝いている（頭ではない）一枚

　「ナウシカ」から「魔宅」までのベスト版的作品集。
　「サントラ」からの収録は「魔宅」「トトロ」のみで、「ナウシカ」「ラピュタ」はそれぞれ「風の谷のナウシカ・シンフォニー編」「天空の城ラピュタ・シンフォニー編」からの収録となっている点が特徴。シンフォニー編からの部分が素晴らしく、サントラで「もっとゆっくり堪能したい」と思わせる曲が取り出されより雄大に編曲されている。特に、「ラピュタ」サントラで「天空の城ラピュタ」として（Track12）一曲にまとめられていた２つの小曲が独立した曲「大いなる伝説」「時間の城」、ナウシカのエンディングの最も印象的な動機を主題に一曲作り上げた「はるかな地へ…」が群を抜いた良曲。
　「風の谷のナウシカ・シンフォニー編」「天空の城ラピュタ・シンフォニー編」も人に借りて聴いたが、この「ANIMAGE BEST SYMPONY」に美味しい部分は全て収録されているので別途持つ必要はないと感じた。
　サントラを全て揃えるよりこれを一枚購入する方が価格的音楽的に最もお得だ。

個人的なこと

　これは自分史に残る名盤。ＣＤプレーヤーにぶち込んだ回数上位３番に入るだろう（「悠久の風伝説」「別れの曲」と並ぶ）。また、個人的に思い出深いＣＤで、中学生の頃の淡い記憶 (初恋の思い出とかね) が濃縮されている。昔の出来事と結びつく音楽を時を経て耳にすると、大抵嫌な気分になるがこれは例外的に心地よい切なさに満たされて心の摩擦係数が減少する作品。