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THRAK
スラック
Originally released: 1994 / PCCY-00700
Personnel:
Robert Fripp (guitars, soundscapes, mellotron)
Adrian Belew (guitar, voice, words)
Bill Bruford (acoustic & electric percussions)
Tony Levin (upright & electric basses, backing vocals)
Trey Gunn (stick, backing vocals)
Pat Mastelotto (acoustic & electric percussions)
No | 原題 | 時間 |
1 | VROOOM | 4'37 |
2 | Coda: Marine 475 | 2'41 |
3 | Dinosaur | 6'35 |
4 | Walking On Air | 4'34 |
5 | B'Boom | 4'11 |
6 | THRAK | 3'58 |
7 | Inner Garden I | 1'47 |
8 | People | 5'53 |
9 | Radio I | 0'43 |
10 | One Time | 5'21 |
11 | Radio II | 1'02 |
12 | Inner Garden II | 1'15 |
13 | Sex Sleep Eat Drink Dream | 4'48 |
14 | VROOOM VROOOM | 5'37 |
15 | VROOOM VROOOM: Coda | 3'00 |
All songs written by King Crimson |
概論
ミニアルバム「ヴルーム」発表後、アルゼンチンに渡りライブを重ね、クリムゾンに相応しい楽曲を選別し洗練し満を持して制作されたフルアルバム。
「ヴルーム」と重なる曲は全て新しく録音し直している。止めども尽きない勢いを感じる。
まさにクリムゾン二十余年の音楽の集大成。「21世紀の精神異常者」や「キャットフード」のようなひねくれポップ、憂愁のメロトロン、「レッド」のような(むしろそのまんま)鋼鉄の曲、「太陽と戦慄パート3」風などなど。どの時代のクリムゾン好きにも訴えかける内容。昔風、今風、新機軸、大昔風、エイドリアンワールドそしてまた昔風。構成もねれられていて戦略家のフリップの手腕がいかんなく発揮されている。見事。
でも聴けば聴くほど不満も。
エイドリアンも言っていたが、ダブルトリオ編成を生かし切れていない。どうもドラマーの片方が暇そうな場面が多い。一人が0.6人分働いて、5人で3.6人分、1.2トリオくらいの力しか発揮していないような印象。6人がいつも音を立ててばかりでは疲れるけど、かといって各トリオの掛け合いなどの工夫が見られないのも残念。
エイドリアンが歌う曲は相変わらずどうしようもないのは仕方がないけれど、みんなでアンサンブルするインスト曲の作曲能力が明らかに衰えている。「VROOOM」シリーズも演奏の腕前が素晴らしいので問題ないけれど、例えばシャ乱Qあたりが演奏したら今世紀最大の駄作に陥る可能性も。かつて「アイランズ」や「フラクチャー」のような曲を生み出した男とは思えない。バンド全体の作曲能力の限界を感じたからこそ、グループをばらばらに分解してひたすら即興に精進し、何とか打開しようとしているのかも。確かにクリムゾン本体がPROJEkCTシリーズで磨き上げた即興を最大限活かすことが出来れば、想像を絶する音を期待できる。けど作曲も頑張ってほしい。
各論
予告編(委細各論補完後)
「レッド」の頃のようなメタル・クムムゾンを味わえる一連の「ヴルーム」変奏曲と、現代クリムゾンの新たな可能性(まだまだ「可能性」、と言って良いだろう)を垣間みられる「B’ブーム」〜「スラック」が聞き所。「ダイナソー」「ウォーキング・オン・エアー」「インナー・ガーデン」「ピープル」「ワン・タイム」「セックス、スリープ、イート、ドリンク、ドリーム」エイドリア〜ンの曲はまあ軽く聞き流そうか。エイドリアン、ギターの腕前は文句無いしドラムもなかなかのものだし人柄も良さそうなのだけど、曲が今一なんだな。バンドアンサンブルの部分も、演奏意欲は素晴らしいけど創作意欲に疑問が。これで「PROJEkCT ZORO」がどうしようもなかったらキレルでほんと。ライブ音源大放出でも大満足なのだけれども、クリムゾン好きを誇りに思う者としてはやはり新作が良くないと。頼みますよ。(各論になっていない・・・)
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